MOG-A1菌コロニーから伸びた菌糸
マメ根粒菌コロニー
MOG-A1菌コロニー
MOG-A1菌と根粒菌が共生できることで、地植えシンビジュームの無肥料でも巨大な株を形成している謎が解けた。
自生地であれば雨水に含有する窒素、ミミズ、昆虫、動物由来の窒素あり、
ラン科植物はそれらの窒素と、ラン菌が枯れ葉から産生するブドウ糖と光合成の澱粉で生き続けてきたと考察してきたが、
このハウス内には「雨水」の窒素はない。
そういうことで巨大な株は謎であった。
空中窒素固定細菌とMOG-A1菌菌根菌が共生するということであれば、この謎が無造作に説明できる。
MOG-A1菌は空中窒素固定細菌から窒素を調達し、
空中窒素固定細菌はMOG-A1菌から炭素を調達。
マメ科植物が無い状態でも、地表に木材腐朽菌が生息していれば「炭素」は調達できる。
マメ科に寄生する根粒菌は、マメ科植物の無い状態では木材腐朽菌と共生して炭素を得て生き続けている。
このことは、MOG-A1菌と根粒菌、空中窒素固定細菌の混合溶液、粉剤の資材を作れることを示唆している。
菌根菌、根粒菌混合資材は、世界の農業を俯瞰したとき、劣悪な貧農地を画期的に改良する資材を提供できる。
少肥多収穫出来る農地を作れる。
生分解プラの廃棄物粉体、粒子に担持させれば、PLA廃棄物の分解養分化という・・・多様な効果を生まれる。
対照区
根粒の表面に生息している土壌微生物。数種類見られる。
MOG-A1菌はこれらの多様な微生物を全て「休眠」「不活性」させている・
左写真参照。
根粒菌は「休眠」しないで繁殖している。(下写真参照)
9月23日の状態。
MOG-A1菌のコロニーに根粒菌の
コロニーが形成されている。
薄い桃色が根粒菌。
MOG-A1菌より増殖スピードが遅く、
あとからコロニーが見られるようになった。
菌根菌MOG-A1菌と根粒菌(細菌)共生することが、
この試験で解明された。
菌根菌は根粒菌が固定する窒素を調達しているのか。
雨水、土壌内の窒素と同時に、根粒菌の窒素も調達して
菌糸を伸ばしているのか。
MOG-A1菌は炭素循環の菌。
根粒菌は窒素循環の菌。
この二つが共生することで、自然界の生態系が
構築されている・・・・。
9月20日 処理3日後。
MOG-A1菌と根粒菌(粒)懸濁液。
根粒菌を殺菌しないで培養。
MOG-A1菌は根粒表面に付着生息している土壌微生物を
休眠不活性化して、培養基上はMOMOG-A1菌のみコロニーを
形成している。
根粒菌。
地球地表土壌のどこにでもいる細菌。
「菌根菌」ではない。
根粒菌の単離純粋培養は簡単な組成のYM培地で無造作に出来る。
根粒菌の販売は1880に発見されると、直後から開始され、日本でも現在販売されている。
マメ科の作物、牧草などの栽培で利用されている。
そういうことで、上記の写真を見てみると・・・。
この地植えのシンビジュームの培養土には必ず「根粒菌」が生息していると予想される。
この培養土はラン菌が優占支配しているが・・・
もしも、ラン菌と根粒菌が共存、共生するのであれば、この巨大な生育の謎は、
簡単に溶けるのであるが・・・。
空中窒素を固定する根粒菌は「菌根菌」とズート後に誕生した菌で。
根に根粒を作るメカニズムは、「菌根菌」からパクったものである。
根粒菌は宿主の根が無ければ生き続けられない菌ではない。
簡単培地YM培地で培養できることは、この培地組成を土壌内に作れば、
土壌内で大増殖できることを意味している。
根粒菌が欲しいのは繁殖するために必要なエネルギー源である「炭素」である。
土壌内には根粒菌が利用できる「炭素化合物」が少ない。
根粒菌自身は有機物を分解出来ないから・・・である。
そのために、マメ科植物の根が近くに伸びてくると千載一遇のチャンスと、
これに侵入する。
この侵入するに必要な遺伝子は「菌根菌」を真似たものである。
YM培地には炭素化合物として糖アルコールの「マンニトール」を添加している。
これをエネルギー源としてマメの根が無くとも・・・繁殖する。
そういうことであれば・・・土壌内にマンニトールと同じような「炭素化合物」を人為的に
添加すれば、豆を植えなくとも・・・どんな土壌でも根粒菌を繁殖できる。
それが出来れば・・・どんな土壌でも空中窒素を固定して、
窒素肥料削減栽培が可能になる。
MOG-A1菌は枯れ葉から・・・グルコースからブドウ糖を作る。
これを横取りする菌を「休眠」させれば・・・・。
酵母を休眠させることがMOG-A1菌で土壌内で出来れば・・・・。
YM培地の組成は、他の微生物も繁殖できるから、土壌内で他の微生物を「休眠」
させ、根粒菌を優先繁殖させなければならない。
そういうことで、多様な微生物を休眠させることが出来るMOG-A1菌と
根粒菌が共生する菌であれば、このことが可能になる。
ダメモトでの試験である。
右写真は(有) 最上蘭園のラン、シンビジューム栽培である。
ラン菌(木材腐朽菌)を生息させた培養土「ペレポスト」を用い、世界で初めて地植え栽培に成功した。
写真は地植え栽培10年の・・・驚愕の生育・・・巨大株になった姿である。
「無肥料栽培」である。
ペレポストの炭素率は500。ほとんど窒素を含んでいない。
雨に当てない室内栽培。雨水に含まれる窒素の供給はない。
灌水する水は地下水、分析では窒素含有0。
生油粕施与 1年間に3回、5月、6月、7月、1回当たり5g 合計15g (ラン菌繁殖用としての窒素)
生油粕の窒素含有率5,5% 1年合計窒素(15g)0,825g
ラン科植物は菌従属植物で、ラン菌と共生している「菌根植物」である。
この巨大化した株になるに必要な「窒素」を、この株は何処から「調達」したのか???
この疑問を10年宇井 清太は抱き続けてきた。
植物は空中窒素ガスを利用することはできない。
天才リービッヒは、当初植物は根で空中窒素ガスを吸収できるとして、窒素肥料を与えなくとも良いと考えていたが、
植物は空中の窒素ガスを利用できないことが証明され、天才リービッヒも大きな誤りを行なった。
その後、マメ科植物は空中窒素を固定できる根粒菌と共生することで利用することが出来ることが1888年に、
M..W..BEITTERINKによって発見された。
先行知見を基にして考察すると・・・・
空中の窒素を固定できるのは根粒菌特有の能力ではなく、土壌に生息する細菌のなかには、
多くの菌が窒素固定を行っていることが知られている。
このことから考察すると。
〇 この株がラン菌を食べて窒素を調達している。
〇 この株が空中窒素固定細菌とも共生して窒素を調達している。
〇 ラン菌が空中窒素固定菌と共生して、ブドウ糖、窒素の両方供給している。
〇 ラン菌が空中窒素固定を行い供給している。
上記の3つが考えられる。
この巨大なシンビジュームノ(株になるには、このハウス内に炭素循環と窒素循環が構築されていなければ、
このような生育にはならない。
炭素循環は、MOG-A1菌はラン菌、木材腐朽菌であることから、木質ペレットのリグニン、セルロースを分解して、
低分子の糖を産生していることから、光合成で作る澱粉とこの糖とでエネルギーを調達している。
窒素循環がこのハウス内でどのように行われている不明。
この巨大な組織に含有する「アミノ酸」。
これに必要な窒素をどこから、どのようにして調達しているのか???
培養土の中に生息する土壌窒素固定菌?????
この中で、根粒菌及び土壌窒素固定細菌は好気性細菌、従属栄増殖細菌であり、この従属する宿主が、
木材腐朽菌であれば、巨大生育が説明が付く。
菌根菌を「菌根」から単離、純粋培養するのは非常に難しいのは、主菌に共生する細菌があり、
これを切り離して単離するのが難しい。
この試験では、既に単離、純粋培養したMOG-A1菌に共生する「窒素固定菌」を共生させることである。
今回は、マメの根粒菌を用いるが、他の土壌窒素固定細菌を見つけ、MOG-A1菌に共生させれば、
病害菌を「休眠」させる能力と空中窒素固定させる能力を持った「複合菌資材」を作成できる・・・
可能性を想定したものである・
(MOG-A1菌は多様な微生物、病害菌を休眠させる能力を持っているが、ある種の菌を休眠させることなく、
共存、共生することが培地上で観察されている。この菌の中に窒素固定細菌があれば・・・右写真の
巨大生育は説明が付く。)
以上のような考察から、今回ラン菌MOG-A1菌とマメ根から採取した「根粒菌」の共生関係を探る
試験を行った。
試験材料
〇 MOG-A1菌
〇 豆の根から採集した根粒菌。
試験方法
〇MOG-A1菌の懸濁液と根粒菌の精製水懸濁液を混合。
〇対照区 根粒菌懸濁液 (無殺菌)
〇ハイポネックス培地に接種、常室内静置培養。(最低温度18℃ 最高温度25℃)
〇培養開始日 2018年9月17日。
著作権所有者 (有)最上蘭園
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2018年 9月17日
MOG-A1菌と窒素固定菌(根粒菌)共生試験
新理論を作れるか???
suma-to siken 240